ジャイプール滞在中、俺とKはこの日もサミュエルの運転する車に揺られていた。
俺は助手席、Kは後部座席。茶褐色の土と岩が左右を流れていく。
今もマハラジャが住むという壮大な城。
湖面にぽつんと浮かぶようにして建つ白い宮殿。
褐色の町並みに、リクシャーは絶え間なく流れる。
ピンクシティ・ジャイプール
その活気に圧倒されながら、外を眺めていた。
眺めて
・
・
・
きゅきゅっ
ってあれ??
突然サミュエルが車を路肩に止めた。
前に男が一人立って近づいてくる。
全身濃い青のしゃきっとした服にベレーのような帽子。
立派な口ひげを生やしたその男の職業を理解するのに、
さほど時間はかからなかった。
警察
ったく何やってんだよサミュエル。面倒起こすなって。巻き込まれるのとか ほんと勘弁だからさぁ、っはっはっは。 |
とか思いながら窓の外を見ると、
警察のおじさんがこんなジェスチャーをしてた。
手を
左肩から右の腰へ
シュッ、て。
俺の方を見て。
あ
俺
シートベルトしてねー
結局サミュエルが必死に弁解してくれて
本当なら罰金1000ルピーのところを
100ルピーにまけてくれた。(まけすぎ)