※お食事中の方はご遠慮ください※
インド、バラナシ滞在中。
この日も俺は一日中ガンガーを眺めては、
ぶらぶらして過ごしていた。
晩飯の時間が近づき、適当にレストランに向かう。
細い路地の行き止まりの店に入った。
隠れ家みたいなこの店は楽器屋兼レストランで、
観光客向けに楽器のレッスンもしてくれる。
屋上で、沈み行く夕日を背に、
ガンガーを眺めながら一人食べるカレーが最高だ。
食後の熱く甘いチャイが、
昼間の突き刺すような陽射しに焼かれた体を
癒してくれる。
暑い日に熱いチャイ。
インドではなぜかこれが合う。
チャイがなくては始まらないし、
終わりもしない。
とりあえずチャイ。
そんな感じ。
椅子に身体を預けたまま、
暗くよどんだ聖なる河と、
その上に浮かぶ一本の長細い雲を眺めていた、
その時。
ピキッ
う
一すじの痛みが、胴を走りぬけた。
ピキッ
いたっ
出所は左下腹部。
痛みは徐々に周期を短くしながら、
さらに下方へ下方へと集約されて行く。
ビキッ
まずい・・・!
こ、これは・・・!昨日のラッシーがあたったか・・・!?
思わず腹を抑えて前のめりになる。
臀部の緊張が高まる。
ズキッ!
ぐぅぉぁっ・・・!
今や俺の大腸のぜん動運動は最高潮を迎えていた。
大臀筋は必死にこらえ、
少しの振動も命取りだった。
ここへきて、俺の脳は緊急事態を発令した。
危険レベル4。迅速かつ慎重に危険回避場所へ向かえ!!
俺は走った。階下のトイレに向かって。
つづく
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