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それは

 

運転手サミュエルを加えた

 

一週間限定三人旅が始まって

 

二日目の夜

 

ジャイプールの三ツ星ホテルで

 

明日の荷物をまとめていた時のことだった。

 

 

 

 

 

 

 

!?

!!??

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

財布が無い

 

 

俺は焦った。

 

本気で無い。

 

いくら捜しても

 

出てくる気配すら無い。

 

どこかで落としたのか

 

それとも盗られたのか。

 

いやそんな馬鹿な。

 

落としたり盗られたりする

 

ような状況はなかったはずだ。

 

待て

 

とにかく

 

落ち着け。落ち着くんだ。

 

無くなったものはしょうがない。

 

残りの金であと約20日間

 

過ごすしかない。

 

幸い

 

金は三箇所に分けて

 

持ち歩いていた。

 

財布を無くしたぐらいでは

 

旅行自体にたいした支障はない。

 

旅にハプニングはつき物だ。

 

どうせどこかで一度は

 

こういうことになっていたに違いない。

 

今日じゃなくても

 

インドで旅をする限り

 

金銭関係のトラブルはついて回る。

 

割り切れ。

 

これもインド旅行の一部だ。

 

 

 

そう言い聞かせて

 

眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明くる朝

 

「おはようサミュエル」

 

サミュエルとは泊まるところが別で

 

朝になると俺たちの宿まで

 

迎えに来てくれることになっていた。

 

「おはよう」

 

の挨拶のあと

 

彼は俺以上に片言の英語で

 

こう言った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あなた昨日これ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それはまさしく

 

昨日無くして

 

もうあきらめかけていた

 

俺の財布だった。

 

どうやら昨日

 

サミュエルの車の助手席に座っている間に

 

ポケットから落ちていたらしい。

 

 

 

 

確かに

 

その可能性はあると思っていた。

 

落としたとしたら

 

車の中が有力だと。

 

しかし

 

例えそうでも

 

財布が戻ってくることはないだろう

 

とあきらめていた。

 

なぜなら

 

きっとサミュエルが盗ると思ったからだ

 

俺から見て彼は

 

怪しい旅行会社の手先。

 

俺をだまし

 

別に行きたくもないところに

 

勝手に車を走らせる

 

憎き悪徳運転手でしかない。

 

言ってみれば

 

悪の秘密結社ショッカー

 

の一員である。

 

 

また彼から見れば

 

俺は間抜けな日本人。

 

ただのカモ。

 

隙あらば金をかすめ取ろうと

 

目を光らせているに違いない。

 

そう思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ところが

 

あのとき

 

俺の窮地を救ってくれたのは

 

意外にもその

 

悪の手先ショッカーだったのだ。

 

もちろん財布の中身は

 

何も盗られていない。

 

 

 

 

 

 

 

俺は対応に困った。

 

ショッカーは悪者ではないのか?

 

なんで人助けしてんだよ。

 

もしや油断させといて

 

後で隙を突いて攻撃するつもりじゃ。

 

それともまさか

 

悪の軍団にもいいやつがいるのか?

 

もしかして、あれか

 

お雇いショッカーか。

 

家庭の事情でしょうがなく

 

秘密結社で働いているのかもしれない。

 

だとしたら彼は

 

かわいそうなやつじゃないか。

 

いや待て、しかし

 

悪の軍団の一員に

 

同情しようというのか?

 

そんなことをしたら

 

仮面ライダーの立場はどうなるんだ。

 

 

 

 

 

 

いくら考えても

 

答えは出なかった。

 

だが

 

理由はどうであれ

 

敵だろうが味方だろうが

 

彼が俺を助けたという事実

 

これだけは確かである。

 

そのことに対して

 

礼を言った。

 

 

 

 

 

 

それからもう一つ

 

俺のショッカーに対する見方が

 

変わってきていることも

 

確かだった。

 

 

 

 

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